デザインねこ

現役グラフィックデザイナーがお届けするデザインの時短ネタや参考ネタ、HOW TOなどのお役立ち情報から、ハンドメイド、インテリアや暮らし、ネコとの生活など様々なジャンルの記事を2人と1匹でお届けする(デザインよりの)雑記ブログ。

初心者デザイナーにオススメのデザイン勉強法。◯◯っぽさを身につけろ!

こんにちは、今日もよろしくお願いします、デザインねこです。(@toranekodesign

今回は駆け出しデザイナーさんにオススメのデザインの学習法の紹介です。

 

デザインをするにあたって「〇〇っぽさ」を理解しているというのはとても大切です。制作会社で勤務していたとき、デザイナー間や営業さんとの打ち合わせでは「雑誌のGQみたいな感じ」 とか「クウネルみたいな感じ」だとか、写真は「映画のキッズリターン」みたいな感じ(=青みがかった写真)というような感じで打ち合わせをしていました。この〇〇っぽさ、デザイン関係者同士の会話では出現頻度が高く、この〇〇っぽさを理解し身につけると打ち合わせ時の方向性を共有しやすく、さらにデザインの表現技術も上達します。駆け出しデザイナーはぜひ身につけておきたいところ。今回は雑誌GQの解体をもとに「GQっぽさ」を探っていきたいと思います。

 

雑誌はデザイントーンを身につけるのにうってつけな媒体

今回お勧めするデザイン学習法を説明すると、

❶雑誌それぞれに設定されているデザインのトーン、ターゲット層などの情報をプレスリリースやwikipediaから拾う

❷それらの情報をもとにそのテイスト、ターゲットに訴求するデザインを形作っている構成要素やレイアウトの細部を洗い出し分析

❸洗い出した要素を使って「〇〇っぽさ」を持ったデザインテイストをパーツ単位で理解し自分のものにする

❹この理解をデザインに活かしていく

という流れになります。初回では雑誌GQ2018年3月号をもとにどのようなことか解説していきます。

 

f:id:toraneko-design:20180220131340p:plain

 

【雑誌情報】

GQは20歳後半から30歳前半の若手ビジネスマンがターゲットのファッション・カルチャー雑誌(ジャンルは情報誌)。内容は、世界的名門ファッションブランドの新作コレクション、高級腕時計などファッション関連、政治・経済、芸能、IT、ビジネスノウハウなどのジャーナリズム、車、グルメといったカルチャー関連のテーマを幅広く取り上げています。

このような情報を踏まえて誌面を見てみると、ビジネスマンターゲットの情報誌ということもあってGQの誌面はとてもベーシックで堅く、シンプルな印象。さらに男性がコアなターゲットなので、重厚、男らしさ、力強さといった印象が見受けられます。書体はゴシック系で男性的かつベーシックな印象です。

レイアウトも矩形が中心のキッチリした印象を受けます。一貫して受けるキチッとした印象はやはりビジネスマンというターゲットがあるからでしょう。全体としての余白はある程度しっかりとっていますが、誌面の中は適度に詰まった印象があるので、情報量が豊富な印象を受けます。

 

【レイアウト】

レイアウトは四角い枠で組まれているのできっちりとした印象

GQのレイアウトは誌面の印象が四角い枠に収まっており、キッチリとした印象を受けます。対してそれぞれの写真はページによってのテイストがまちまち。モノトーンだったりハイコントラストのものだったりと雰囲気はそれぞれに違いますが、しっかりと枠内に収められているのでカチっとした印象を外れることはありません。

 

f:id:toraneko-design:20180220152054j:plain

f:id:toraneko-design:20180220152102j:plain

 

f:id:toraneko-design:20180220152109j:plain

 

【写真】

安定したレイアウトに対してハイコントラスト、モノトーン、切り抜きなど多様な写真を使っていることで誌面に動きを与えている。

 

安定的なレイアウトに対して写真は様々なテイストが使われています。レイアウトが落ち着いているぶん、写真での遊びが生きている印象もありますね。切り抜きよりも角版で使用される写真が多め。 

 

f:id:toraneko-design:20180220164034p:plain

 (カラフルで動きのある写真)

 

 

f:id:toraneko-design:20180220164206p:plain

 (コントラストの高い写真)

 

f:id:toraneko-design:20180220164308p:plain

(モノトーンの写真)

 

f:id:toraneko-design:20180220164414p:plain

(切り抜きで動きのある写真)

 

 

以上のように様々なテイストの写真が使われています。どちらかというと重厚感のある写真が多めな気がしますね。

 

【装飾】

ちなみに見出しなどで使う飾りなども全体的に四角い印象。

 

f:id:toraneko-design:20180220152817p:plain

 

【フォント】

基本的な書体はゴシックを中心で、オーソドックスな印象。

 

さらに上記のページデザインを元にフォントを見ていきましょう。

 

f:id:toraneko-design:20180220164943j:plain

 

欧文はGotham、和文はタイトル周りはモリサワの見出しゴMB31が使われています。本文は当てはめて見た感じではモリサワの中ゴシックBBBが使われています。

 

和文はモリサワのゴシック系が中心。本文で使われている中ゴシックBBBは伝統的に使われてきたスタンダードなゴシック体。他の書体に比べてやや小さめのサイズなので可読性がよく、安定した印象になります。

 

見出しではオーソドックスで、適度な太さを持っている見出しゴシック。同じく太めのゴシックのゴシックMB101などと比べても、字面が小さめなので、大きなサイズで使っても強さは控えめで、押し付けがましさのない存在感です。

 

欧文はゴシック系でGothamを使っていて、誠実さのあるビジネスっぽい真面目な印象。とはいえ、Gothamはカジュアルさもある書体なので重くなりすぎず、華やかな遊び心も取り入れている感じがします。ちなみにGothamは前大統領オバマさんが使用した書体としても有名になりました。

 

ページによっては、下記のようにセリフのある欧文や、明朝系の書体をアクセントとして所々で配置していますが、基本は上記の書体がベースになっていますね。

 

f:id:toraneko-design:20180220165649j:plain

 

f:id:toraneko-design:20180220165658j:plain

 

以上がGQの構成要素の特徴です。シンプル&ベーシックなデザインで信頼感のある感じに仕上がりかつ遊び心が垣間見れるので、GQのようなレイアウトは前職の制作会社で会社案内を制作していた頃には、クライアントの経営者層からの受けが良いデザインでしたね。ベーシックなデザインの中で写真の使い方を工夫したり、ちょっと誌面に崩しを入れると遊びもでるので、何かと応用の効きやすいデザインです。

 

まとめ

今回は雑誌GQを解体し、「GQっぽさ」の要素を分析してみました。このようにその雑誌らしさがどういったパーツや要素からきているのかを突き詰めていくと、同様のテイストを作る時に大きな助けになります。駆け出しデザイナーの皆さんはぜひそんな目線で雑誌やデザインを解体して見ることをオススメします。それでは、今回はこのへんで。

 

 

GQ JAPAN (ジーキュージャパン) 2018年03月号

GQ JAPAN (ジーキュージャパン) 2018年03月号