デザインねこ

現役グラフィックデザイナーがお届けするデザインの時短ネタや参考ネタ、HOW TOなどのお役立ち情報から、ハンドメイド、インテリアや暮らし、ネコとの生活など様々なジャンルの記事を2人と1匹でお届けする(デザインよりの)雑記ブログ。

キンチョーの「コックローチゴキブリが動かなくなるスプレー」から見るパッケージデザインのリアル

こんにちは、今日もよろしくお願いします、デザインねこです。(@toranekodesign

 

先日のねとらぼの記事で

「やっと分かってくれたか」 KINCHO「コックローチ」パッケージを剥がすとイラストなしの真っ白デザインに - ねとらぼ

 

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という記事がありました。このキンチョーのパッケージのアイデアが、シンプルながらとても痒いところに手が届くというか、魅力的な話だなあ、と。メーカー側としては売り場で勝つためには競合商品と並んだときに目立たなければならないけれど、消費者側としては家で使うときにごちゃごちゃしたデザインのものはダサいし、部屋にも馴染まないという作り手と使い手のパッケージデザインのアンマッチがありましたが、それを解消する素晴らしいアイデアです。

ということで、今回はこの「コックローチゴキブリが動かなくなるスプレー」から見た世のパッケージについてデザイナーが思う徒然を書いていきたいと思います。

 

我が社のパッケージも、まあけっこうアレなんですよ 

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今回、この記事が自分のアンテナにガッツリ引っかかったのは、我が社のパッケージデザインが、まあアレなんですよ、アレ。そう、ダサいんです。僕にが勤めてる生活用品、日用雑貨系のメーカー(自社に限らず業界も)はパッケージが全く(自分的に)刺さらないんですよね。ごちゃごちゃして、全体的にダサい。

 

理由は売り場で選んでもらうため 

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そのようなパッケージを使っている理由は先ほども書いた、売り場で目立たないと選んでもらえないことが大きく影響しています。売り場で商品の特徴を目立たせるためバーンとフチ文字で押し出して、グラデーションを使ってシュッとさせつつ、色も原色で目立たせて、、といったものが多く、基本うるさいデザイン。ゆえにダサい。

営業の諸先輩の方々に聞くと、まあちょっとダサいかもしれないけど、このの方が、目立つからね。という回答をいただきます。つまりもうそれが普通になっちゃってるんですよね。しかもそれは弊社だけじゃなく、同業他社もそうで、パッケージを見てるとどこもそんな感じ。メーカー側としては売り場で埋もれたくない=うるさいデザインをやめられないという現状があるようです。

 

最近の流行はシンプルなパッケージ

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 対して、消費者サイドからみてみると、ここ数年のパッケージではシンプルなものが注目され話題になっています。家で使うときに部屋に溶けこみ、なにげなく置かれていても違和感がないようなインテリア感覚で選べるデザインが人気です。

 

moogy(キリン) 

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www.kirin.co.jp

 

キリンのmoogyはEC専用のデザイン。このパッケージデザインはEC専用のため店頭で他社製品と差別化する必要がなく、デザイン性にこだわったシンプルでおしゃれなパッケージで話題になりました。このままお客さんに出してもいいし、家にポンって置いてあっても、浮くことなく部屋にとけこみます。実際にこのボトルをデザインしたキリンの社内のデザイナーさんも消費者の目線に立ち、本当に暮らしにあったら嬉しいものをデザインしようという考えのもとパッケージデザインを制作したそう。

 

hokuohkurashi.com

 

この商品はそれまでの、売り場で目立つごちゃごちゃしたパッケージと一線を画し話題になりました。いろんなデザイン誌やPinterestなどでもよく見かけ、僕の周りのデザイナー界隈でも評判のデザインでしたね。

 

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(pinterestで「moogy パッケージ」で検索した画面)

 

 

キリン 生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy 375gボトル缶×24本

キリン 生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy 375gボトル缶×24本

 
キリン 生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy 375g×24本

キリン 生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy 375g×24本

 

 

セブンイレブンの洗剤のデザイン

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7premium.jp

 

普段使うコンビニでもこのような流れが見られます。セブンイレブンで販売されている洗剤のパッケージは白ベースのシンプルなデザイン。表記も英語がメインでオシャレな印象を受けます。洗剤のデザインも売り場で目立つように多色でカラフルなものが多い中、このデザインはインパクトがありすね。コンビニの中では競合商品も数が限られるし、インパクトを残しやすいのではないかと思います。

 

 

 

300均や100均などのシンプルな移し替えの容器

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上記のセブンイレブンの洗剤のパッケージのようなシンプルなもので、300円均一スリーコインズや、セリアをはじめとする100円均一でもシンプルな移し替え容器が人気です。シンプルゆえにどんなインテリアにもマッチし、普段使いの洗剤を移し替えて使えて、なおかつ安いので主婦層からの人気も高い。下記のようにいろんなメディアで紹介されています。

 

jocee.jp

 

enuchi.jp

 

kurashinista.jp

LDKやMartなどの雑誌でも紹介されていました。

 

いいとこどりのキンチョーコックローチのパッケージデザイン

以上のように、売り場で目立たせなければならないメーカーサイドとシンプルにインテリア感覚で選びたい消費者サイドではパッケージに対する意識の違いが見られます。この2者のアンマッチをうまく解消したのが冒頭で紹介したキンチョーコックローチのパッケージデザインというわけです。シンプルな発想ですが、着眼点が素晴らしくこれからこのパッケージ方式を取り入れる企業は多いのではないかと思います。イチ消費者としても、インテリア感覚で使えるシンプルでオシャレなデザインが増えるのは嬉しい限り。ちなみにコックローチのパッケージは

 

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売り場ではこんな感じ。

 

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パッケージを剥がすとこんな感じです。

 

イイね!!!

 

まとめ

今回はキンチョーコックローチのパッケージから考えたパッケージデザインのお話でした。メーカー側の問題も解消し、消費者のニーズも取り入れたいいデザインによる解決策の事例です。

ぜひ、弊社でも見習ってもらいたいのですが、商品開発やパッケージは別の部署の仕事なので、変に口をはさむと色々と、カドが、たつ。。。という組織的なアレもあるので、よい事例として社内共有だけはしておきたいなと思いました。

それでは、今回はこのへんで。